ペルシア文化を代表する美術工芸品の一つで、起源は紀元前の古代ペルシアにまで遡ることができます。( 芸術品のペルシャ絨毯とは )
寒暖の激しい中央アジアの乾燥地帯で堅牢さと保湿力に優れた羊毛敷物として発展しました。レンガや石造住居の床に敷かれ、とりわけ遊牧民にとっては携帯性がよく生活必需品でした。
古代ローマと古代中国を繋ぐシルクロードでも知られる東西文化交流を繋ぐオリエントの中心地としての歴史によって、ペルシャ絨毯は世界で最も精巧で、多様な意匠を持つ敷物の最高峰へと育まれました。
ペルシャ絨毯とは、伝統的に「ペルシア」と呼ばれていた現在のイラン周辺で生産され続けている絨毯のことをいいます。
1風土が生んだ天然素材
乾燥地帯で育つ羊の毛は寒暖差の大きな気候に耐えるため、高い保温力を持っています。また、水分の少ない風土で生きるため、水分を最大限に留める保湿力を持っています。
生産されているペルシャ絨毯の素材の96%がウールで、4%がシルクです。
2天然の草木染の原料
使用される染料はイランに自生する植物が主原料です。ブドウの葉から黄色。ザクロの皮から赤みがかった黄色。アカシアから茶色。クルミの殻からキャラメル色。カシワの葉から黒色。そして藍から青色。
ペルシャンハウスでは、天然染料を用いて染色された作品だけを取り扱っています。
3消費者がイラン人
都市部と地方の織りの違い
長い歴史の中で生活必需品として使われ、嫁入り道具として欠かせない品の一つです。
4財産
土地、金などと比較できる財産としての価値があります。持ち歩ける不動産とも言われます。
5アンティークの価値
使い込むほど美しくなり、アンティークとしての価値が出ます。特にウールの絨毯は艶と趣が出てくるので、ヨーロッパでは古い絨毯の方が好まれる傾向があります。
都市の工房の織り方
都会の絨毯は昔からの伝統的な図案だけではなく、消費者の意向が反映され変化しています。図案によって織られるので、繊細で高級な品が多いです。熟練した織り手でも1日に5000ノットしか結べないほど膨大な時間が掛かります。
- 図案を描く
- 方眼紙に図案を写す
- 図案に従い糸を染める
- 垂直式の機を設置する
- 経糸を張る
- パイル糸を結ぶ
- 太い緯糸を通し、おさ打ちする。次に細い緯糸を通し、再びおさ打ちする。繰り返しで柄を出す。
- 仕上げ
遊牧民・地方部族の織り方
遊牧民は図案を使わず、祖先から受け継いだ図柄を記憶して織っているので、民族の伝統が守られています。また、織り手の感性で織られているため、細部の歪みなどに独特の味わいが感じられる作品が多いです。
- パイル糸を染める
- 水平式の機を設置する
- 経糸を張る
- パイル糸を結ぶ
- 太い緯糸を通し、おさ打ちする。次に細い緯糸を通し、再びおさ打ちする。繰り返しで柄を出す。
- 仕上げ
ペルシャ絨毯はアンティーク品としての取引も行われていますが、それらが必ずしも高額であるわけでは決してありません。 あくまでユーズド品ですから、その中でどんな点が新品に勝っているのかは是非知っておきたいものです。 全てが手作業であり、パターンもオリジナルであるわけですから、例えば優れた技術者が亡くなってしまったのような理由があれば、もちろん値が上がるケースもあります。 また、状態のよい絨毯に、えも言われぬツヤや、天然染料の醸し出す色合いが美しい場合には、アンティーク品として相応の価値がつくこともあるのですね。
ペルシャ絨毯の上に身体を運ぶと、「気が和らぐような感覚を覚える」と多くの声を耳にします。 もちろん、背景として存在するイスラム教を思い出せば、当然神秘的な気持ちを抱かずにはいられません。 しかしそれだけではなく、ペルシャ絨毯の製作過程が大いに関わっていると言えるでしょう。
ペルシャ絨毯はすべて手織りの作業から生まれたものですが、織り子以外にも数多くの技術者の手跡を忘れるわけにはいきません。 イラン高原に春の雨が訪れる頃には、牧童たちが雨にすっかり洗われた羊毛を刈りとります。 原毛の汚れを取り除くだけでは染着力が弱いため、脂肪分の付着も除く作業が必要になります。 そのために、石けんとソーダを用いながら繰り返し、羊毛をきれいにしてゆきます。
日本とペルシャ絨毯のおつきあい
日本とペルシャ絨毯の歴史を遡ると、意外な名前に遭遇します。
ペルシャ絨毯は、安土桃山時代にシルクロードと中国を経て、日本に渡ったとされていますが、その美しさにすっかり魅せられたのが豊臣秀吉でした。 ペルシャ絨毯の放つ絢爛なオーラを、「身にまといたい」と言った秀吉は、絨毯を裁断させ陣羽織にしてしまったのです。 また、京都の祇園祭に使われる山鉾には、17世紀に伝わったとされるペルシャ絨毯が飾られているのも意外なお話です。
その羊毛は、村々の女たちの手に渡ると糸を紡ぐ工程に進み、染色のために男たちは仕上がりを待ち構えるのです。 その頃、工房ではデザイナーが、文様の構想に頭を悩ませていることでしょう。 方眼紙を目の前に、人々を魅了するパターンを練ってゆくのです。
不思議と気分が安らぐペルシャ絨毯
最長期間が、織りに費やされるペルシャ絨毯に欠かせないのが女性の存在です。 もちろん織り子には男性もいますが、15〜20歳ほどの女性がメインとなって作業が進みます。 ひとつひとつ結び目をつくって織り上げてゆく作業には、女性の細い指先と視力の強さがキーポイントとなるのです。 上質なペルシャ絨毯は、十代後半の少女によって作られ、彼女たちはその歳でベテランと呼ばれるようになります。 「少女」と「女性」の間を生きるこの年代は、言うなれば一番美しいときであると言えましょう。
その研ぎすまされた時期を、彼女たちはペルシャ絨毯に注ぎ込むのです。 そういった背景を知ると、とたんにペルシャ絨毯の価値に重みと厚みが増すはずです。
ペルシャ絨毯は、もちろん敷物としての用途も果たしていますが、その美しさからタペストリーとしても愛されています。 タペストリーとして作られるペルシャ絨毯には、シルクが用いられていますが、日常から踏まれることを想定したものにはウールが用いられます。
(芸術品のペルシャ絨毯とは)
イランの乾燥した風土のなか生きるペルシャ羊の毛は、草や食べ物や気候などの条件が絡み合い、弾力性に富み強靭です。 ウールの糸は、引っ張られても強度を発揮し、毛が寝てしまうことがありません。そのため、踏まれても長持ちするのです。 敷物に適した強固な素材づかいと、細かい織りの技術が重なれば、耐久力が高まるのは言うまでもありません。 使い始めて1〜6ヶ月ほどは、遊び毛がでることもありますが、切れ毛による悩みは生じません。 ウールには油分が含まれているので、踏まれるほどに、光沢がでてくるのも使う楽しみのひとつです。 使用頻度と比例する光沢感を目の前に、使い手もどんどんとペルシャ絨毯の蘊奥に魅了されてゆくはずです。
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