ペルシャ絨毯とは、ペルシャ(現在のイランの旧称)で一枚一枚すべて手織りで作られた、ペルシャ文化・芸術を代表する極めて優れた美術工芸品のひとつで、いわば床の上の芸術品。
踏まれることによって魅力が増す、唯一無二の芸術と言えるでしょう。
敷物としても生活の中に溶け込みやすく、機能性にも富んでいるのが人気の理由です。
その歴史は長く、紀元前には製作されていたと言われています。
イランが世界に誇る歴史の産物「ペルシャ絨毯」が生み出す緻密なデザイン、そして優雅な雰囲気をご覧ください。
高く売れるペルシャ絨毯をご紹介
ペルシャ絨毯は高価なだけに、いきなり店の扉を開けるのはためらわれるものです。
購入に際しては、様々なサイトや書籍を見比べながら情報を集めることから始めるのが普通でしょう。
しかし、その前に知っておいてほしいことがあります。
40年ほど前までペルシャ絨毯には馴染みのなかった日本。
そんなわが国ではペルシャ絨毯の選び方について、絨毯商の不勉強からくる、
あるいは商品を売らんがために捏造された事実無根が氾濫しているのが現実です。
本ページを【正しい選び方】としたのは、
それらを鵜呑みにした間違った選び方をしている方がきわめて多いからに他なりません。
わが国ではペルシャ絨毯の定義をご存知でない方が多く、それゆえペルシャ絨毯でないものをそれと信じて購入される方が多くいらっしゃいます。
ペルシャ絨毯の正しい選び方を習得するためには、まずその定義について知っておくことが大前提でしょう。
ペルシャ絨毯とは「イラン国内で製作された手織絨毯」をいいます。
したがって、トルコ、コーカサス、アフガニスタン、ウズベキスタン、ルーマニア、エジプト、パキスタン、インドや中国等々、イラン以外の国で製作された絨毯は、手織でデザインが似ていてもペルシャ絨毯ではありません。
また、イラン国内で製作されたものであっても、機械を用いて製作された絨毯はペルシャ絨毯とはいいません。
ネットオークション等に溢れる「機械織ペルシャ絨毯」など、現実には存在しないのです。
ペルシャ絨毯が多くの人を魅了するのは「伝統」に裏打ちされた手工芸品だから。
栄華と悲哀とに満ちた悠久の歴史の中で、延々と育くまれた技術なり文様なりが付加価値になっているからです。
トルコ絨毯やコーカサス絨毯、アフガン絨毯をはじめとする中央アジアの絨毯などについても、わが国で人気があるかどうかは別にして、欧米には多くのコレクターがおり十分にその価値を認められているといってよいでしょう。
しかし、ペルシャ絨毯をそっくりそのままコピーして製作されたインド絨毯や中国絨毯は、いくら高値で販売されていたとしても単なる「実用品」に過ぎません。
なぜなら、そうした安易なコピー品には付加価値の素となる「伝統」という二文字が欠如しているからです。
それは、こうした品々がコレクターの収集対象となり得ておらず、一流オークションハウスで取扱われることがないことからも明らかでしょう。
登山の醍醐味は麓から一歩ずつ、いくつもの難所を克服する苦しみに耐えながらも頂上に立つことにこそあります。
ヘリコプターでいきなり山頂へ降り立ってみても、そんなものは登山ではないし、それに醍醐味を感じる人などいないのではないしょうか。
なお、ペルシャ絨毯ではないものをそれと偽って販売している者は店舗を持たず、ネットオークション等に出没しているのが常。
掘出し物狙いの素人が集まるネットオークションは詐欺師たちにとっては恰好の漁場である上、トラブルになればすぐに身を眩ませることができます。
こうした悪徳業者の中には、品質表示ラベルにman silk 100%とあるのを「シルク100%」と説明する者がいますが、man silkは化学繊維のレーヨンのこと。
シルク=絹ではありませんから騙されないように。
ウールかシルクかの選び方
ペルシャ絨毯はウール絨毯とシルク絨毯とに分けられますが、シルク絨毯が高級品でウール絨毯は低級品などということはありません。
ペルシャ絨毯の値段を決める最大の要素は人件費。
それについては後の項で詳しく述べるとして、ウール絨毯であっても同じサイズのシルク絨毯より高価なものはたくさんあるのです。
繰り返しますが、ペルシャ絨毯はウールがシルクに劣る訳ではありません。
もしも無条件にシルクばかりを勧めてくる絨毯商がいれば、絶対にその店では買わないことです。
絹の原産国であるわが国には「シルク信仰」とも言えるものがあり、それゆえシルク絨毯の人気は高いのが事実。
しかし、シルク絨毯だけが高級品であるという誤った先入観や、売りやすいシルク絨毯だけを勧める絨毯商の口車に乗せられて、シルク絨毯が向かない場所にもこれを選んでしまう人たちが多いのもまた事実なのです。
たとえ事実に反していても買手に心地よい言葉だけを並べていれば、なるほど商売はしやすくなるでしょう。
しかし、それはお客様に損をさせる、すなわち数あるペルシャ絨毯専門店や百貨店の中から自店を選んでくださったお客様に対する裏切り以外の何ものでもありません。
ランクについて
俗に「五大産地」とよばれる産地の絨毯は、わが国ではペルシャ絨毯の高級品としてのイメージが定着しているようです。
ところが、それらに似せてイラン国内の別の町で製作されたコピー品が存在していることをご存知な方はどれほどいらっしゃるでしょうか?
以下にその一覧を記しておきます。
クム産(シルク):ザンジャン産、マラゲ産
クム産(ウール):シャーレザ産
カシャーン産(シルク):ザンジャン産、マラゲ産
カシャーン産(ウール):アルデカン産、ヤズド産
ナイン産:タバス産、カシュマール産
イスファハン産:ナジャファバド産
タブリーズ産:ホイ産、カシュマール産
必ずしも、高価格=高品質とは言えない現実がペルシャ絨毯にはあるのです。
高い買物をしてしまわないよう、有名産地の名で売られているペルシャ絨毯には本物とコピー品という明確なランクがあることを知っておく必要があります。
ペルシャ絨毯の産地偽装の実態
ザンジャン産やマラゲ産のシルク絨毯について、「最終の洗いをクムでやっているので、クム・シルクで間違いない」と説明しているサイトがあります。
果たしてそうでしょうか?
……生産地の表示を偽る行為は、不正競争防止法が制定される以前から違法とされていた不正競争の類型であり、さらに近年の同法の改正では、生産地の誤認表示も不正競争類型とされており、商品名に付せられた地名が、生産地ではなく流通機構の地名であることが消費者に対して徹底されなければ、誤認表示と受け止められるので、やはり産地偽装にあたると言わなくてはならない……(出典:Wikipedia「産地偽装」)
ザンジャン産やマラゲ産のシルク絨毯については、生産地ではなく流通機構の地名であることが消費者に対して徹底されているとは言い難いのが実際。
であるならば明らかに産地偽装です。
絨毯商がお客様からいただく利益とは、専門家としての目を通し、よりよい絨毯をご提供することへの対価といってよいでしょう。
利益に見合った価値を提供できない絨毯商に存在意義などありません。
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